こんにちは!とーりーです!
前回は市役所で出世するメリットを紹介しました。
今回はその逆。市役所で出世するデメリットについて、徹底解説します。
前回の記事でも書きましたが、私自身「出世して管理職になりたいのか?」と質問されると、答えは「NO!」でした。
この記事を読んでいただくことで、なぜ私がこのような考えに至ったのかが分かると思います。
前回同様、市役所の事務職における話を中心に解説します。
先に今回の結論をお伝えすると、
・ワークライフバランスが悪化する
・仕事以外でのデメリットもある
そもそも、社会全体として管理職に対する意識とは?
マンパワーグループが行った調査(https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/20200316.html)によると、8割超の一般社員が管理職になりたくないと回答している調査結果があります。その中で、管理職になりたい理由の上位は、
・自分が成長できる(66.2%)
・会社から評価されていると思える(25.0%)
逆に、管理職になりたくない理由は以下のような結果になっています。
・報酬面でのメリットが少ない(40.4%)
・業務負荷が高い(40.4%)
・面倒な調整業務などが増えそうだ(28.3%)
この調査は、民間企業を対象にした調査です。
とはいえ実際私が所属した市役所で行われた同様の内部調査でも、結果は似たようなものとなりました。
日本社会全体の流れとして、管理職になりたくない人は増えてきていると言えると感じます。
これは、日本の平均賃金が1997年の467.3万円だったのを天井に、2019年の436万円まで下がり続けていることも要因と言えるのではないでしょうか。
つまり、会社員や公務員として雇われた場合に、報酬面でのありがたみを感じるという事が少なくなってきたわけです。
次は、管理職になることで増える責任について解説します。
仕事面での金銭増<責任増という現実
「お金の話ばっかりして、意地汚い!」という感想の方もいるかもしれませんが、サラリーマンは自分の貴重な時間を切り売りしてお金を得ているので、お金の問題は触れないわけにはいきません。
極論、「ボランティアでもその仕事するの??」という話になってしまいます。
では市役所で出世をすると、どのくらい金銭的なメリットがあるのかをお伝えします。
これは実際のところ、自治体によって役職者の割合や給与体系が異なるので、一概には言えないのが正直なところです。
とはいえ多くの自治体で似たような水準となっているので、今回は一般的なモデルケースを紹介します。
職員のランクは概ね下記のようになっており、
課長職以上が管理職とされるケースが多いです。
課長の年齢はおおよそ50歳前後で、年収は700万円~800万円程が一般的です。前回のメリット記事で紹介した大阪市のモデルでは、課長の年収モデルは1000万円弱になっていましたが、一般的な市区町村の課長はそこまで高くありません。
部署ガチャで、残業が多い激務部署に配属されたとしても、管理職には残業手当が出ません。よって、月に100時間残業させられてしまうような部署では、係長や課長補佐の収入の方が多くなるという、ねじれ現象も起こります。
とはいえ、700万円~800万円という金額は、大企業の課長とも比べると低賃金かもしれませんが、 2019年の平均年収が436万円という事を考えると「まぁまぁ貰ってるな」という感覚ではないでしょうか。
では、次に出世するに伴い増える責任についてお伝えします。
トラブルが発生した際の責任を負わされる
市役所が作成する文章は、【○○市長 山田太郎】のような形で、市長名で発出されることがほとんどですが、何らかトラブルが発生したり、裁判沙汰になったりした際は、課長が責任を負わされるケースがあります。
例えば、 税金を誤って多く徴収してしまったり、管理する施設で事故が発生したような場合、その事務を所管する部署の課長が責任者となり、市長や議会への説明が求められます。
もっとも、個人に直接金銭的な負担が求められるケースはかなりレアではありますが、管理職の中には、『公務員賠償責任保険』というものに加入している人もいます。
これは、公務員としての職務の遂行に起因する住民訴訟や民事訴訟に対して、法律上の損害賠償金や訴訟費用などの個人の経済的負担を補償するものです。
金銭的な負担が仮に無かったとしても、このようなトラブルが発生したら、間違いなく矢面に立たされることになるのが、課長をはじめとした管理職です。
議員対応のわずらわしさは、役所特有
議員対応。
これは、市役所の外にいる人からは全く持って未知の世界だと思います。
どこの市区町村にも、議員という人たちがいます。【市区町村の議会議員選挙】で選出される人たちです。
とにかく、この議員の相手が大変です。年に4回議会の時期があるのですが、期間中は課長をはじめとした管理職は議員対応をしなければいけません。
議員から呼び出されると、朝一でも、夜遅くでも、議員対応をする必要があります。的を得ない質問をしたり、ときに高圧的な態度をとったりする議員に対しても丁寧に対応することが求められます。
多くの質問に対して、答弁書を作成したりといった手間は、なかなかのものです。
これは役所特有の管理職の仕事と言ってもいいでしょう。
問題の多い部下の管理
どこの組織でもそうだと思いますが、問題適正のある人は必ずいます。すぐに窓口で問題を起こす職員や、あきらかにコネ採用(今の時代もやっぱりあると思います。)で仕事を全くしない職員です。
当然このような職員を放置していると、周りの一般職員から不満の声も上がりますので、管理職になると、これらもしっかりと管理する必要があります。
地元の有力者からの圧力
これも、議員対応と並び役所特有の仕事だと思います。
相手が地主の場合もありますし、医師会などの団体の場合もあります。このような有力者から、「○○の政策はおかしい」「○○の補助金を配ってくれ」など、市の政策について、意見(実質圧力をかけれられる)を言われることがあります。
また逆に、新規の政策を行う際に、お伺いをたてるという場面も多々あります。このような際に、矢面に立たされるのが課長を始め管理職の役目になります。
ワークライフバランスについて
次に、ワークライフバランス、つまり時間に焦点を当てて解説します。
このブログのコンセプトでもある【自由】は時間によってもたらされると思います。人生の時間は有限なので、このワークライフバランスについては、特に重要だと考える部分です。
優秀な職員は花形部署(=ブラック部署)へ
優秀であればあるほど、忙しい部署へ配属されるというのは、社会人であれば当然かもしれません。ただし、公務員の世界では、どれだけ花形部署で管理職として活躍しても、ヒマな部署の管理職と給料は全く変わりません。
優秀な人が出世をしてしまうと、人事課、財政課といった忙しい部署に配属され、ものすごい残業をさせられます。
バリバリと忙しい部署で働くと、承認欲求は満たされるかもしれません。でも、「それより早く家に帰って家族と過ごしたい」といったワークライフバランスを重要視する優秀な人は、出世しないという道も考えた方が良いかもしれません。
災害時や有事の際は呼び出しがかかる
管理職は、災害時の対応も大変です。
ある程度の大きさの地震が発生した場合や、台風などで暴風警報が出されるたびに、管理職は市役所に呼び出され、緊急事態に対応できるよう、待機させられます。夜中に呼び出しがあった場合は、市役所には寝るスペースなどないので、自分の席で寝るか、市民用の長いすで寝るなどします。
もちろん、次の日が平日の場合は、そのまま日中の業務にあたる必要があります。
現在もコロナの対応などで、国や県が新しい方針を出した際は、市の対策を決めるにあたり夜中まで会議をするといったケースも珍しくありません。
仕事面以外でのデメリット
最後に、直接の仕事面以外でのデメリットもお伝えします。
交際費が増える
課での親睦会等の行事があった場合、課長をはじめとする管理職が多めにお金をだしたり、寸志という形で、別途会費を出すという文化があることで、支出が増えるものです。
幸い?コロナ禍により、飲み会が無くなった状態では、この出費は削られているので、嬉しい悲鳴かもしれません。
人間関係の調整
仕事の分野に入る話かもしれませんが、人間関係の調整という面を挙げます。市役所では今、大きく分けて【正規職員】【非正規職員】という形の職員がいます。
同一労働同一賃金という旗振りを国がしている状況下で、正規職員、非正規職員の仕事の割り振りも各自治体において頭を悩ませる問題となっています。正規、非正規の間で、ぎくしゃくしない様な職場づくりをする必要があります。
また、正規、非正規によらず、人間関係の問題はどのような職場でも起こりえるものです。このように、人間関係の問題を解消して、仕事を上手に回すという事も、管理職の大事な役割となります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
市役所で出世することで生じるデメリットについてお伝えしてきました。
私自身は、出世はしたくないと考えていますが、これについては賛否あると思います。しっかりと真面目に働けという人もいるかもしれません。
仕事にどう向き合っているか、という事がポイントだと思います。
私は、公務員の仕事に人生を賭けるほどのやりがいを感じることができていないので、今の仕事をする限りは、プライベートの時間を重視する方が、人生の満足度が上がると考えています。
もちろん、公務員の世界で出世される方を非難するという話ではありませんので、あくまでも私個人の考えという事でご理解いただければと思います。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。一歩一歩、良い人生にしていきましょう!
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